あおの世界は紫で満ちている

自分の趣味にどっぷり沈み込んだ大学生のブログです。歌舞伎と宝塚も好き。主に観劇レポートなど。

#箱がでかい

 今回のブログは2021年2月某日、私の身に起こった人生最大級の幸福な出来事について書いていこうと思う。

 

 令和3年(2021)2月16日。多分、この日は一生忘れられない。この先V6のライブDVDが発売されるたびに思い出すだろう。『For the 25th anniversary』のDVDを見るたびに思い出すだろう。なぜなら、私が生まれて初めて円盤をフラゲした日であるからだ。

 『V6 For the 25th anniversary』通称トニフィフコンorバイゼコン。画面越しとはいえ、初めて参戦したライブ。初めてのDVD3形態買い。興奮した。それはもう興奮した。セブンネットから発送通知と到着予定日のメールが来たときは狂喜乱舞した。ちなみに、そのあとVisual Bookの発送メールも来た。私はバイト先で息絶えた。やっと手にできる。あの日の感動をもう一度味わえる。あの時涙で見られなかった場面も見たい。特典も今すぐ見たい。V625ちゃんが日々呟いてくれたあのメッセージの答え合わせがしたい。気持ちが前乗りだった。今すぐ電車に飛び乗って、代々木へ向かいたいと思う程度には気持ちが前乗りだった()

 迎えた当日、私が起床したのは午前8時頃。その日、深夜1時までバイトに勤しんでいた私は「こんな部屋じゃ円盤をお迎えできない。こんな惨状をV6に見せる気か?ふざけんな私」と大掃除をしながらオールする予定であったが、5連勤の末の深夜バイト。疲れがたまっていたのか寝落ちした。夜食も食べ、万全の状態でオールしようとしたがこたつの魔力の上に敗れ去った。軽やかに、アラームにしている『グッデイ!』がスマホから聞こえてきたとき軽く絶望したが、気を取り直して掃除開始。部屋を片付けシンクを掃除し、排水溝の洗浄までした。

 午前10時50分頃。シンクの掃除をしているとき、チャイムが鳴った。

 「Visual Book様だ!」

 瞬時に察した私は、つけていた手袋を外し、爆速で玄関を開け、佐川急便さんに厚く御礼申し上げながら丁重に荷物を受け取った。待ちに待ったこの瞬間。2月上旬あたりから「Visual Bookきたー!」「ヤバイ。泣ける」などなど羨ましい限りの感想ツイートを、指をくわえてみていた私にとってその日最初の歓喜の瞬間だった。がしかし部屋が汚い。まだ汚い。こんな状況では箱の開封すら憚られる。ということで、素早くシンクの掃除を終わらせ、神妙に開封の義を執り行った。

 『きた。みた。ないた』

 これは開封し、中を見終わった直後の私のツイートである。泣いた。最初はカッコよさに圧倒され、だんだんとページをめくっていくうちにじわじわと目頭が熱くなり、胸がいっぱいになり、弾けるように涙がこぼれた。幸せをかみしめた。そう、この時点で私は桃源郷に迷い込んだような幸福感を味わっていた。

 こちらの『Visual Book』についての感想は、また別でブログにしようと思う。ここでは書ききれないから。

 さて、何度も言うがこの日はフラゲ日。私には、コンビニへ行って三種の神器を受け取るという使命が残っている。Twitterを見ると、TLには「フラゲできた~箱がでかい」「やっとフラゲ~箱大きすぎん?」「フラゲ日!箱がでかい!」などフラゲ民の歓喜があふれていた。それにしても、ほぼ全員が口をそろえて『箱がでかい』と言っている。何事だ?ああ、そうか。この方々はきっと6形態買ったんだ。うん。きっと私の箱は普通サイズだろう。Voyagerも届いてるからそれも受け取れるかな?そう思ってコンビニに自転車を走らせた。『愛なんだ』を熱唱しながら。

 ああそうだ。そういえばまだ『TVStation』買ってないな。コンビニの前に本屋へ行こう。お金もおろしてこないと。この時の私はまだそんなことを考えていられる余裕があった。雑誌を買ってもVoyagerコンを受け取ってもまだ余裕があると思っていた。だって箱は小さいだろうと、大きくても『It's my life』の三形態くらいだろうと、そう思っていたからだ。

 兎にも角にも諭吉を数人召喚し、本屋へ行き、『TVStation』と忙しさに紛れて忘れていた『みんなの手話』の後期テキストを購入し、さあ!いざ尋常にセブンイレブンへ。

 鼓動をバクバクと騒がせ、抑えきれない情熱を暴れさせながら自転車を走らせた。ルンルン弾む気分で、今度は『Swing!』を熱唱しながら。

 ズサァと駐輪場に滑りこみ、流れるような動作で鍵をかけ入店。アルコール消毒をしスマホを操作し、昼休憩中と思しき男性の後ろにならぶ。ワクワクして手が震えるのがわかった。自分の番になり、「これをお願いします」と言ってスマホを差し出す。レジのお姉さんがピピとやって「今お持ちしますね」と言ってくださった瞬間、歓喜に震えた。

 バックヤードから出てきた箱はでかかった。いや~デカかった。「え?マジで?」と目を見開いた。あ~これはVoyager無理かな?と思ったが次の瞬間、申し訳なさそうに「あの、こっちもお願いします」とスマホを差し出す自分がいた。再びバックヤードへ荷物を取りに行ってくださるお姉さん。待っている間に、まじまじと箱を見る。デカい。やっぱりデカい。そして出てきたVoyagerコンが入っている箱を見て、また改めてトニフィフコンのデカさを感じた。何がこんなにデカいんだ…ポスターか?ポスターなのか?レジのお姉さんもきっと「何が入ってんだこれ?」って思ってんだろうな…と思いながら諭吉に別れを告げて店を出た。

 「あ、ヤベ。カゴに入らねぇじゃん。」

 そう。このバカでかい箱はどう考えても自転車のカゴには入らない。22世紀であればドラえもんを召還してスモールライトを借りればいい話だが、残念ながらまだ21世紀。自力で何とかするしかない。どうにかこうにか突っ込むと、意外と安定した。これならいけるぞ…とほくそ笑み、琵琶湖からの風に負けないように、慎重に慎重に自転車をこいで家に帰った。カゴに夢と円盤と雑誌を詰め込んで。

 アパートの駐輪場に自転車を止め、頑張ってくれたカゴをいたわり、デカい箱を抱きしめた。抱え心地は最高だった。これを抱き枕にしたら安眠が得られるだろう、と思えるほどのフィット感だった。幸せだ。うん。TLの皆さんのツイートに嘘はなかった。

 さて、部屋に入り荷物を下ろし、30秒の手洗いと入念なうがい。ウエットティッシュスマホを拭いてから帰宅完了のツイート。「箱がでかかった」と報告。そしていよいよ、開封の義。駆け抜ける鼓動が止まりそうになるほどの興奮と緊張。慎重にカッターを手に取り、素早く滑らせる。手が震えた。

 開けた。まず目に飛び込んできたのはピンク色の紙。緩衝材だ。セブンネットさんの優しさを感じた。ありがとう。それを取り払い、目に飛び込んできたのは購入者特典の『チケットホルダー』『ステッカー』『手のひらポスター』

 そうか。ポスター。やっぱりお前だったんだな、箱のデカさの原因は。愛してる。

 その御三方を机の上に並べ、下の段ボール紙を取り外すとお目見えした『初回盤A』『初回盤B』『通常版』

 圧巻だった。さすが三種の神器。もうこの時点で泣けた。こちらも取り出し、机の上に並べ、母に歓喜のLINEを送る。「届いた。泣きそう」

 実はその前日に3形態すべてをおかわりしていたいた私。心から「おかわりして良かった…」と前日の自分に全力で感謝した。

 一つ一つ丁寧に袋から取り出し、箱を開ける。ふわっと香る杏仁豆腐のにおい。ああFFさんが言ってたのはこれか…そして開く。飛び込んできたのは『幸せの青い封筒』

 ここで私の涙腺は限界に達した。まだ初回Aの開封だというのに…初めて手にする紙チケット。人生で初めてのコンサートチケット。しかも神席。好き。裏を見ると『THANKS YOU』の文字。涙腺は壊れた。感謝をのたまうのはこちらの方だ。avex様には足を向けて寝られない。初回Bの特典も素晴らしかった。ありがとう世界。

 そしていよいよ通常版。そう

 『PHOTO POST CARD PHOTO by JUNICHI OKADA』

 泣いた。泣いているうえに泣いた。ページをめくる手が止まらなかった。もちろん、切り離されないように慎重にめくった。『Visual Book』と同じ写真も何枚かあった。それでも掲載されているものが違うだけでこんなにも感じ方が違うのかと、こんなにも尊いものが二つのものに掲載されているのかと、もうこの世界線に生まれてきたことを五体投地で感謝したい気分だった。

 特典を並べ、再び母にLINEした。「中身はこんな感じ。真剣にavexに感謝」「よかったじゃん。楽しみにしてたんでしょ?楽しんでね!」持つべきものは推し事に理解と共感のある母だ。ありがとう母さん。

 箱のでかさは愛の大きさ。愛の大きさは推しの尊さに比例する。そう感じた。

 去年の9月4日から手に入れたいと望み、『SODA』の裏表紙で叶えられたと思った「勤続25年の男たちの掌」それが特大サイズのポスターで届いた。今、目の前にある。慎重に開く。手を重ねてみる。泣いた。まるでメンバーとハイタッチしているような、そんな気分だった。心から涙があふれてきた。心なしか、暖かさまで感じた。ああ、私も末期だな…そう思ったがそれがどうした!もうとっくにV6沼から抜け出せないことは悟っているし、今さら帰る気もしない。客観的に見てどうとか考えるな。今は家で一人だ。ポスターとハイタッチにしてニマニマして何が悪い。そう開き直って、二周ほどハイタッチをし、再び歓喜に震えた。ありがとうフラゲ日。そして丁寧に袋に戻す。ポスターよ、今日からお前は家宝だ。

 開封しただけでこの喜び。この幸福感。この満足感。ここは桃源郷か?ユートピアか?極楽浄土なのか?エデンの楽園か?まだ映像を見ていないのに天に召されそうだった。

 さて、落ち着こう。ゆっくりと深呼吸をし、いったん出したものを片付ける。初回盤Aを除くすべての物を世界に感謝しながらに袋に戻し、avexのスタッフメモを確認して『本編→特典→本編』の順で見ることを心に決め、まずは本編を再生。テレビをつけ、トレイを開き、さっとディスクを置く。あぁ取り出しやすい。真中を押せばカポッと取れた。レコーダーに吸い込まれるトレイ。切り替わる画面。見慣れた注意事項。そして「avex」の文字。表示されるチャプター。迷わず決定ボタンを押し、再生開始。

 始まるカウントダウン。光る『25』輝く『6』そして、1995年11月1日の代々木第一体育館。10周年、20周年と駆け抜ける歴史のVロード。この時点で泣いた。目から水が止まらない。号泣に号泣を重ねて見終えた本編。そして間髪入れずにディスクを入れ替え、前夜祭→ドキュメントへ。直視できない。情緒が持たない。これは映画か?映画なのか?究極の映像美が目の前に広がっていた。

 しかし、ここで重要な問題が発生する。実はこの日、必修単位である科目の課題提出期限。今までバイトに明け暮れ、ほとんど手を付けていなかった自分を、呪霊を発生させんばかりの勢いで呪いながら、必死に手と頭を動かす必要があった。本編はじっくり見られたが、特典は少しながらになってしまった。一生の不覚。しかし今日さえ乗り切れば、明日は一日何もない日。さあ、課題をしよう。そう思って必死に手を動かした。特典を真剣に見られないなんて、そんな悲しいことは無いので、新しく手に入れたBlu-rayのVoyagerコンを流す。

 おお!映像がきれいだ!あぁぁ好きだ。大好きだ!ディスクの入れ替えを気にしなくてもいい!『愛しのナポリタン』が終わってもすぐに『way of life』に行ってくれる。ありがとうBlu-ray。はっ!『My life』のひろしが美しい。あゝ高画質。にしても顔変わんねぇな。ホントに13年前の映像か?これ。あ、健くんの髪型が違う。これはVoyagerだわ。

 と、雑念と煩悩丸出しで課題をやっつけ時刻は午後11時半頃。ふ~と一息ついてTwitterを見る。おや?何やら騒がしい。フラゲ日の歓喜の声か?と思ってみると『RIDE ON TIME』という番組がトレンド入りしている。何事だ?と思ってみるとなんとV6の特集をやってくれると言うではないか!神か?神なのか?この日、多くのV6ファンが大仙古墳を建て天にも昇る気持ちを味わった末のこの供給…界隈が騒ぐのも当然だ。私はこの番組を見たことがなかったが、上質なドキュメンタリー番組であるらしい。これは期待大だ。こんな調子で供給を受けていては、大仙古墳とクフ王のピラミッドを足しても墓が足りないが幸福だ。

 そして、ふと見てみると別のトレンドワードがあった。

 『#箱がでかい』

 そう。言わずと知れたトニフィフコンの箱のことである。

 「#箱がでかいでトレンド入りとかあまりにV6オタクがV6オタクしててさすがにV6ファンだなって思った()」

 というのが、このトレンド入りを受けての私のツイートだ。

 私は、V6も愛しているがそれと同じくらいV6ファンも好きだ。ド新規であった私を暖かく迎え入れてくれたV6ファンが好きだ。ノリが良く、ギャグ線の高いV6ファンが好きだ。酸いも甘いも乗り越えて、V6を応援し続けているV6ファンが大好きだ。それを形成しているV6に対しては、もう尊さと愛おしさが飽和している。愛してる。『#箱がでかい』というトレンドワードは、そんなV担を象徴しているように感じた。界隈に参加してまだ一年足らずというド新規の小娘が、何を偉そうにと思われるかもしれないが言わせてほしい。

 「V6界隈は平和である」とよく言われる。「ファンマナーが良い」ともよく言われるのを目にする。これは誇らしい。が、もちろんそういう人ばかりでないこともわかっている。それでも無断転載の少なさや、メンバーの誕生日であっても出てくる画像がイラストばかりであるなど、実感するファンマナーの良さは本物だ、と思っている。

 そんなお姉さま方、お嬢様方が、まだ円盤を手にしていない人、見ていない人にネタバレをせず、且つ最大限に喜びを伝えられ、且つその素晴らしさを表現するのに最適な言葉。それこそ『#箱がでかい』であったと考えると、本当に涙が出てくる。暖かさに感動する。大好きだ。

 『#箱がでかい』に込められた喜び、尊さ、愛しさ。それはツイートから一目瞭然であった。あふれる感謝の言葉、感動の言葉、幸せの伝染。優しい世界だ。泣いた。

 気づけば日付をまたいでいた。そう。発売日である。2020年12月25日から待ち望んだ発売日。「楽しみだねぇ」と言い合った発売日。この日のためにバイトに勤しんだ発売日。(ちなみに父親の誕生日でもある。おめでとう父さん)

 多幸感その極みであった。今死ねたら最高に気持ちいいんだろうなと、そう思える一日だった。まあ、課題の件は残念にしても、それでも最高の一日であった。提出できたし。ぽかぽかとした心で、最高の幸福を味わえた。笑いながら泣いて、泣きながら笑った。カッコよさに叫んだ。二度も見ているはずのセトリに叫んだ。幸せな一日だった。

 「V6最高。V6しか勝たん。好き。大好き。愛してる。ありがとう世界。ありがとうavex。ありがとうV6」

 ひたすらこれらの言葉を繰り返した。言葉にしてしまうと、この感情が消えてしまうような。そんな気さえした。好きだ。私はV6が大好きだ。まだ本編と前夜祭、ドキュメントしか見ていない段階でそう思えた。

 FFさんと騒ぎあい、ふと気か付けば時は過ぎて丑三つ時。そろそろ小籠包(寝ることの意。詳しくは健ラヂへ)しなければシャレにならない時間。幸せを抱えたまま、私は小籠包した。

 大好きだよV6。愛してるよV6。脳内にあふれるこの言葉。そしてこの日、FM GENKIで放送されたV6の名曲の再放送と共に就寝。

 「寝ても覚めてもV6」人生初のフラゲ日はそんな言葉にふさわしい一日であった。

 これが、私の令和3年(2021)2月16日のほぼすべてである。